rthef’s blog

日々生活していく中で「心が揺れた」瞬間を文字にしています。

吉野弘「祝婚歌」の詩の内容は一生心に残る名ゼリフの集まり!

この「祝婚歌」という詩に出会ったのは、友人の結構式の時だった。

 

 

その時は人前式だったので、そこで新郎新婦の好きな詩の朗読がはじまって、この詩が読まれた。

 

 

初めて聞いたとき背筋に冷たいものを感じ感動に包まれた。

 

 

まさに、男と女のバランスを絶妙な感性で描き切った詩だと思う。

 

 

以下がその祝婚歌の内容。

 

 

 

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祝婚歌吉野弘


祝婚歌吉野弘) 2人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと 気づいているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
2人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで 疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい

立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には 色目をつかわず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい

健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
2人にはわかるのであってほしい

 

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すごい男女二人の関係をものすごくリアルに描写している。

しかもわかりやすい言葉で。

 

 

ちなみに好きな詩のところは

「完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい」

人間の奥深くに潜むいろいろな感情を表した言葉だと思う。

 

 

吉野先生!

素敵な詩をありがとう!

 

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吉野 弘(よしの ひろし)
2014年(平成26年)1月15日21時48分、肺炎のため富士市の自宅で死去。87歳没

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