映画「ありがとう、トニ・エルドマン」が教えてくれた。人生で一番大切なもの!
ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルでの映画コーナー
「ムービーウォッチメン」
を注目しだしてから数年になる。
当初は、宇多丸の酷評がかなり面白かったのだが、最近では忖度をするようになったのか、酷評は全く聞かれなくなり切れ味悪くなった気がする。
ただ、いい映画を紹介するコーナーなので問題はないのだが。
そこで紹介されていた映画
「ありがとう、トニ・エルドマン」
をおもむろに借りてみてみた。
まったくあらすじを読まずに。キャッチも読まずに見たのがよかった。
感情がかなり揺さぶられた。
人生で一番大切なものを改めて教えてくれた映画だ。
もし、この映画を見ようと思ってくれた方は以下を読まずにすぐにこのページを閉じて映画をレンタルするなり、動画配信するなりして今すぐ見てほしい。
各界の著名人からも下記のような声が上がっている。
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成熟した映画に出会った。
トニの、娘へのどこまでも深い愛は、人の生きる意味を問いかける。
─黒木瞳(女優)
人生に辻褄や説明なし。
ましてや親子間であれば尚更。
もし、一つあるとすればDNAは簡単に断ち切れないってことかな、 この映画。
─みうらじゅん(イラストレーターなど)
夢を叶えようと走っていると、本来の自分が消え失せたことに気づかない。
現代の固定観念を突き崩す、へんてこで衝撃的な親子愛の物語!
─立川談笑(落語家)
ユーモアたっぷりなのにどこか切ない。
キャリアウーマンの娘と邪魔ばかりする父親。
二人の独特な空気感がたまらなかった。
─IMALU(タレント)
映画は死んだ、という言葉を黙らせる映画があるとすれば、
それは、『ありがとう、トニ・エルドマン』だ。
─ニューヨーク・タイムズ
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簡単なあらすじはこんな感じ
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悪ふざけが大好きな父・ヴィンフリートとコンサルタント会社で働く娘・イネス。
性格も正反対なふたりの関係はあまり上手くいっていない。たまに会っても、イネスは仕事の電話ばかりして、ろくに話すこともできない。
そんな娘を心配したヴィンフリートは、愛犬の死をきっかけに、彼女が働くブカレストへ。父の突然の訪問に驚くイネス。ぎくしゃくしながらも何とか数日間を一緒に過ごし、父はドイツに帰って行った。
ホッとしたのも束の間、彼女のもとに、<トニ・エルドマン>という別人になった父が現れる。職場、レストラン、パーティー会場──神出鬼没のトニ・エルドマンの行動にイネスのイライラもつのる。
しかし、ふたりが衝突すればするほど、ふたりの仲は縮まっていく…。 心配するあまり娘に構う父と、そんな父の行動にうっとうしさを感じる娘。互いに思い合っているにも関わらず、今ひとつ噛み合わない父と娘の普遍的な関係を、温かさと冷静な視線をあわせ持った絶妙のユーモアで描く。
その一筋縄ではいかないオリジナリティ溢れるストーリーは、トニ・エルドマンの登場から加速していく。
ホイットニー・ヒューストンの「GREATEST LOVE OF ALL」、誕生日パーティー、毛むくじゃらのクケリ──観る者の予測を超える不意打ちの連続。そこから浮かび上がる父と娘の真実の愛に、世界が絶賛! 涙し笑った。
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今回のこの記事を書くにあたり、公式サイトのダイジェストを見ただけで、涙が出そうになった。
映画で泣くときは、大半はBGMの効果が大きいのではないかと思っていた節があったが、そんなことは関係なった。
この「ありがとう、トニ・エルドマン」はBGMなしだ。
トニ・エルドマンは、ラストシーンで名台詞を残してくれた。
ものすごく心に刺さった。
娘に向けて発したセリフがこちら。
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俺にとって生きる意味とは何か
困ったことに・・
みんな 成果ばかり重視する
義務に追われているうちに
人生は終わっちまう
時間は止められない
よく思い出すんだよ
自転車の練習をするお前や
バス停でお前を回収して帰ったことを
後で大切さがわかる
でもその瞬間はわからない
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失ってはじめてわかる大切さ。
よく、風邪をひいたときなどに思い出す言葉だろう。
または、失恋したときなどに大切な人だったと思い返すこともあるだろう。
一生懸命仕事をすることは大切なことだ。
楽しんでいるのであればなおさらいい。
しかし、その枠を超えて義務的に仕事をしていると、本当に大切なものを見失ってしまう。
本当に大切なものとは、生活の中のなんでもない。意識しなければ一種ににして過ぎ去る空気のような瞬間なのだ。
トニ・エルドマンが伝えたかった事。それは
「心の底から笑えることが本当の幸せ」
ということだ。
映画のタイトルを叫びたい。
ありがとう、トニ・エルドマン!
笑うことの大切さが伝わる映画「恋人たち」の記事はこちらを参照してほしい。