映画「万引き家族」のリリーフランキーの役に隠された理想的な親父像!
是枝裕和監督の『万引き家族』(まんびきかぞく、英題:Shoplifters)を遂に見た。
かなりプロモーションもされていたし、注目をしていたのだが、タイミングを逃しこの時期になってアマゾンプライム動画でチェックした。
第71回カンヌ国際映画祭において、最高賞であるパルム・ドールを獲得したとのことで、かなら注目度の高い作品だ。
自分自身映画はあんまり貪欲にチェックしているわけではなく、見たい映画を探すというよりは、ライムスター宇多丸のムービーウォッチメンで年間ランキング上位から見ていくという感じだ。
しかし、今回の「万引き家族」はランクインしていないが、これまでムービーウォッチメンにて年間ランキングほとんどランクインしている「是枝裕和監督」の作品ということもあり鑑賞した。
是枝監督作品には「そして父になる」しかし、よくリリーフランキーが出ている印象がある。
他の監督作品でも「野火」「恋人たち」でもリリーフランキーは非常にいい脇役として出演している。
で、表題の話題に戻るが、リリーフランキーが親父の役をするときは1つ共通点があることに気づいた。
「子供に対して怒るシーンがない」
そう、決して声を荒げたり表情で威嚇したりすることがないのだ。
子供がいうことを聞かないシーンで、見ている方は「ここで怒りそうだな」と構えるが、決して怒らない。
むしろ笑って子供との心の距離を縮めるのだ。
昨今、親父の威厳がなくなったと言われてる。
威厳とは怒って子供にいうことを聞かせることではないのだ。
子供との心の距離をどれだけ近くに保っているかということなのだ。
そんなシーンをこの「万引き家族」では所々垣間見ることができる。
決して褒められた親父ではない役なのだが、この現代の親父の理想像の一つであることは間違いない。
この映画のコメントで、「あの家族の一員になりたい」と言われることがあるが、やはり世間もどこかで感じ取っているのだろう。
これまで親父の威厳とか先生の威厳とか、一言で片付けられることが多い中、何かのヒントになる映画かもしれない。
やっぱりリリーのあのチンピラ風な巻き舌が耳に残って真似したくなる!